超速攻で会計帳簿を作る

まったく時間がないのに手つかずの状態、あるいは、現状の帳簿にまったくといっていいほど信頼性が持てずに最初っからやり直さなければならないときは、お行儀のよい教科書的な方法は採りえません。

そこで、預金等の資金取引の仕訳入力から固め、仕訳を直接に上書き修正することによって仕上げていく方法をご紹介します。

( 1 )その基本戦略

まずは預金等の資金取引を入力し、これに発生主義的な要素を加えていくイメージで帳簿を作成します。

具体的には、会計ソフトに入力した仕訳について、修正仕訳を入れるのではなく直接修正することによってより妥当な仕訳に変更していきます。修正仕訳でこねくり回すのではなく、直接上書き修正による検証可能性やわかりやすさを重視します。

( 2 )銀行口座取引情報どおりに入力

銀行口座取引情報に記載されている金額どおりに仕訳処理を行います。ただし、振込みの場合の振込金額と振込手数料や借入金返済の場合の元本返済額と支払利息などのように密接に関連した取引はひとつの仕訳とすべきです。

取引の細かい内容は後で調べることにして、とりあえずは銀行口座取引情報通りの入力を行うことに集中します。

( 3 )現金勘定の使い方

事業活動の性質が現金取引でない場合には、売上代金の入金や事業活動に要した出金は、相手方への請求書または相手方からの請求書がベースとなります。

今度は、入金と出金の原因となった請求書等の情報を入力します。

「すべての取引先について1本で仕訳を入れるべきかどうか」「すべての取引について未払を計上すべきかどうか」など悩ましい問題もあります。

小口現金のようにキチンと管理せず、立替経費の精算のみの場合などはわざわざ現金勘定と使う必要はないと考えられます。

また、現金勘定の残高がマイナスにならない方法をご紹介します。

( 4 )入出金の原因となる情報の入力

事業活動の性質が現金取引でない場合には、売上代金の入金や事業活動に要した出金は、相手方への請求書または相手方からの請求書がベースとなります。

今度は、入金と出金の原因となった請求書等の情報を入力します。

「すべての取引先について1本で仕訳を入れるべきかどうか」「すべての取引について未払を計上すべきかどうか」など悩ましい問題もあります。

( 5 )仕訳上書き修正と仮払金・仮受金の整理

最初の段階で、預金などの資金取引の入金と出金の仕訳入力をし、とにかく預金残高と一致させました。これらのとりあえず入力した仕訳について、修正仕訳を追加するのではなく、仕訳を直接修正します。

まず、預金通帳にほぼしたがって1行で入力されていた仕訳を振替伝票に変換して数行にします(仕訳膨らまし)。

そして、資金取引の入力を迅速にするため、相手科目について仮払金や仮受金として処理していたものを正しい科目に修正します。

( 6 )補助元帳の完成

入出金取引を入力し、いっぽうで、入出金の原因となる情報(売掛金や買掛金・未払金など)の入力を行い、便宜上入力していた仕訳を徐々にブラッシュアップしてきました。

いよいよ、売掛金や買掛金の計上取引と入出金取引の整合性をチェックして、補助元帳を完成します。

( 7 )会計帳簿の完成

最後のチェックとして、ダブって入力した仕訳の検出と削除、仮払金や仮受金の整理、期中で科目処理が異なってしまったものを一本化することで、会計帳簿は完成します。

あとは、適切な決算作業を行うだけです。