( 4 )法人による株式の取得に対する課税

法人税法上では、法人はもっぱら営利を追求し常に経済合理性に従って行動する主体です。

経済合理性に従って行動するということは、取引もその時における価額(時価)で行うものとされ、時価とは異なる価額で取引をした場合には、相手方に対して経済的利益を享受したあるいは供与したということで法人税が課税されます。

今回は、法人が時価とは異なる取引価額で株式を取得した場合の税務上の効果、あわせて、その株式を将来譲渡したときの効果を検討します。

目次

( 1 )法人の取引で適用される「時価」

法人の取引で適用される「時価」とは、いわゆる「法人法上の時価」といわれるものです。具体的には、「相続税法上の時価」に一定の調整を加えた額です。

注意したいのは、法人に適用される「時価」は、法人が対象株式の発行法人にとってどのような地位だったかによって(大きく)異なります。

まして、「法人税法上の時価」は、「相続税法上の時価」よりも(少なからず)時価が高く算定されます。具体的には、発行法人が保有する資産について土地等や有価証券は譲渡時の取引価格(土地等は路線価からの修正で0.8を除した額、上場有価証券は譲渡日の最終価格)で評価し、含み益等に対する法人税等相当額の控除(38%)はなく、そして、法人が譲渡直前に発行法人の中心的な同族株主に該当する場合には「小会社」で評価することになります。

イメージ的には、法人税法上の時価は相続税法上の時価よりもメチャメチャ高額ですが、意外(?)なこともあります。

法人でも「時価」が配当還元価額になる

法人の「時価」はすべて時価純資産価額で評価しなければならないというような気もしますが、発行法人の同族株主以外の株主に該当する場合は、そもそも特例的評価方式である配当還元方式によって算定された価額(配当還元価額)で評価できます。

法人でも類似業種比準価額を使える

「法人税法上の時価」の算定にあたっては、法人が発行法人にとって中心的な同族株主に該当すると「小会社」で評価しなければなりません。「小会社」の評価は、原則として時価純資産価額によりますが(しかも、土地や有価証券は譲渡時の時価で、法人税等相当額を控除できません)、類似業種比準価額を50%折衷することができます。、

ただし、土地保有特定会社や株式保有特定会社などに該当すると、時価純資産価額のみで評価しなければなりません。

法人税法上の時価についての詳細な検討につきましては、「 非上場株式の法人税法上の価額(時価)についてのまとめ」をご覧ください。

( 2 )法人が「時価」より低額で取得する場合

取得のために通常要する価額に比して有利な金額により取得をした有価証券の取得価額は、その取得の時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額となります(法人税法施行令119条1項4号)。

買主である法人が時価よりも低い価額、たとえば時価100の株式を40で取得した場合には、本来100を支払うところ40で済んだことになります。この差額60は売主から経済的利益を供与されたとして受贈益となり、法人所得の計算上益金に算入されます(法人税法25条の2第3項)。

会計上の仕訳は次のとおりです。

(借) 有価証券 40 (貸) 預金等 40

税務上の仕訳(実際は行いません。イメージです。)は次のようになります。

(借) 有価証券 100 (貸) 預金等 40
受贈益 60

有価証券の税務上の取得価額は「時価」の100なので、取引価額40との差額60が売主からの受贈益になります。

税務上の仕訳をさらに展開すると次のようになります。

(借) 有価証券 40 (貸) 預金等 40
有価証券 60 受贈益 60

1行目は会計上で計上されたものであり、2行目が税務上調整する部分です。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 受贈益(別表四加算・留保)・・・60
  • 有価証券(別表五(一))・・・60

会計上は受贈益を認識していないため、別表四で当期純利益に60を加算します。同時に、別表五(一)で有価証券60を記載して、会計上の取得価額40を税務上の取得価額を「時価」100とします。別表五(一)に記載された調整項目は翌事業年度の法人税の申告書に繰り越されます。

では、将来、当該株式を90で譲渡した場合を考えてみましょう。なお、90は譲渡時における当該法人にとって適正な「時価」とします。

会計上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 90 (貸) 有価証券 40
有価証券売却損益 50

会計上の取得価額40を90で譲渡したため、有価証券売却損益a/c は貸方50すなわち売却益となっています。

いっぽう、税務上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 90 (貸) 有価証券 100
有価証券売却損益 10

税務上の取得価額は100であるため、会計上は売却益50が生じていますが、税務上は逆に有価証券売却損益a/c は借方10すなわち売却損10となります。

税務上の仕訳をさらに展開します。

(借) 現預金 90 (貸) 有価証券 40
有価証券売却損益 50
有価証券売却損益 60 有価証券 60

上2行は会計上の仕訳であり、3行目が税務上調整する部分です。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 有価証券売却損(別表四減算・留保)・・・▲60
  • 有価証券(別表五(一))・・・▲60

別表四で有価証券売却損60を記載して当期純利益を減算します。これにより、会計上の有価証券売却益50は税務上の有価証券売却損10に調整されます。同時に、別表五(一)で繰り越されてきた税務上の取得価額への調整(60)を減算(▲60)します。

( 3 )法人が個人から「時価」より高額で取得する場合

概要

買主である法人が、時価よりも高い価額、たとえば「時価」100の株式を150で取得したとします。

法人はもっぱら営利を追求し経済合理性に従って行動する存在であるのに、本来ならば100を支払って済むところで150を支払っています。

この差額50は、売主である個人に対して経済的利益を供与したことになります。

経済的利益の認識と損金不算入

まず、会計上の仕訳は次のようになります。

(借) 有価証券 150 (貸) 現預金 150

いっぽう、税務上の仕訳(実際は行いません。イメージです。)は次のようになります。

(借) 有価証券 100 (貸) 現預金 150
経済的利益 50

税務上の取得価額は「時価」である100です。実際には100ではなく150を支払っているために、この差額は売主である個人に経済的利益を供与したことになります。この部分は、(この段階では)損金として認識します。

そして、この経済的利益がどのような損金になるかは、売主である個人が買主である法人とどういう関係にあるかによって異なります。

  • 当該法人の従業員の場合・・・従業員給与
  • 当該法人の役員の場合・・・役員給与(法人税法34条4項)
  • 当該法人の役員・従業員でない場合・・・寄附金(法人税法37条7項、8項)

やっかいなのは、役員給与と寄附金のうち全額が法人所得の計算上損金とならないことです(後述)。

売主である個人に対する課税と源泉徴収義務

いっぽう、売主である個人にとっても、この経済的利益は所得税等の課税対象となりますが、いかなる所得区分に該当するのかは、やはり買主である法人との関係によります。

  • 当該法人の役員・従業員の場合・・・給与所得
  • 当該法人の役員・従業員でない場合・・・一時所得

売主である個人が買主である法人の役員・従業員の場合には、経済的利益は売主である個人にとっては給与所得として所得税等の課税対象となります。

給与所得ということは、買主である法人は源泉徴収義務者であるため、売主である役員・従業員から所得税および復興特別所得税を源泉徴収して納税しなければなりません。

売主が当該法人の従業員である場合

買主である法人が、従業員から、(法人にとっての)「時価」100の株式を150で取得したとします。

まず、会計上の仕訳は次のようになります。

(借) 有価証券 150 (貸) 現預金 150

いっぽう、税務上の仕訳(実際は行いません。イメージです。)は次のようになります。

(借) 有価証券 100 (貸) 現預金 150
従業員給与 50

税務上の取得価額は「時価」である100です。実際には100ではなく150を支払っているために、この差額(売主への経済的利益の供与)を費用として認識します。売主である個人は買主である法人の従業員であるため、この費用は従業員給与となります。

税務上の仕訳をさらに展開します。

(借) 有価証券 150 (貸) 現預金 150
従業員給与 50 有価証券 50

1行目が会計上の仕訳になり、2行目が税務上で調整する部分となります。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 従業員給与認定損(別表四減算・留保)・・・▲50
  • 有価証券(別表五(一))・・・▲50

会計上は従業員給与を認識していないため、別表四で当期純利益から50を減算します。同時に、別表五(一)で有価証券▲50を記載して、会計上の取得価額150を税務上の取得価額100とします。別表五(一)に記載された調整項目は翌事業年度の法人税の申告書に繰り越されます。

従業員給与は、原則として損金となります。ただし、同族関係者など法人税法上の役員(いわゆる「みなし役員」)に該当すると従業員給与ではなく役員給与となります。

では、将来、この株式を120で譲渡した場合を考えてみましょう。なお、120は譲渡時における当該法人にとって適正な「時価」とします。

会計上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 150
有価証券売却損益 30

会計上の取得価額150を120で譲渡したため、有価証券売却損益a/c は借方30すなわち売却損となっています。

いっぽう、税務上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 100
有価証券売却損益 20

税務上の取得価額は100であるため、会計上は売却損30が生じていますが、税務上は逆に有価証券売却損益a/c は貸方20すなわち売却益20となります。

税務上の仕訳をさらに展開します。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 150
有価証券売却損益 30
有価証券 50 有価証券売却損益 50

上2行は会計上の仕訳であり、3行目が税務上調整する部分です。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 有価証券売却益(別表四減算・留保)・・・50
  • 有価証券(別表五(一))・・・50

別表四で有価証券売却益50を記載して当期純利益を加算します。これにより、会計上の有価証券売却損20は税務上の有価証券売却益30に調整されます。同時に、別表五(一)で繰り越されてきた税務上の取得価額への調整(▲50)を加算調整(50)します。

売主が当該法人の役員である場合

買主である法人が、役員から、(法人にとっての)「時価」100の株式を150で取得したとします。

まず、会計上の仕訳は次のようになります。

(借) 有価証券 150 (貸) 現預金 150

いっぽう、税務上の仕訳(実際は行いません。イメージです。)は次のようになります。

(借) 有価証券 100 (貸) 現預金 150
役員給与 50

税務上の取得価額は「時価」である100です。実際には100ではなく150を支払っているために、この差額(売主への経済的利益の供与)を費用として認識します。売主である個人は買主である法人の役員であるため、この費用は役員給与となります。

税務上の仕訳をさらに展開します。

(借) 有価証券 150 (貸) 現預金 150
役員給与 50 有価証券 50

1行目が会計上の仕訳になり、2行目が税務上で調整する部分となります。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 役員給与認定損(別表四減算・留保)・・・▲50
  • 有価証券(別表五(一))・・・▲50
  • 役員給与の損金不算入(別表四加算・流出)・・・50

会計上は役員給与を認識していないため、別表四で当期純利益から50を減算します。同時に、別表五(一)で有価証券▲50を記載して、会計上の取得価額150を税務上の取得価額100とします。別表五(一)に記載された調整項目は翌事業年度の法人税の申告書に繰り越されます。

従業員給与と異なり、役員給与は、定期同額給与に該当しない場合には法人所得の計算上損金の額に算入されません(法人税法34条1項)。株式を時価より高い価額で取得したことによる経済的利益の供与は定期同額給与に該当しないため、損金とはなりません。このため、いったん損金の額に算入した役員給与を再び加算します。 この加算額は、交際費等と同様に翌期以降に繰り越されて調整されることはありません(流出)。

では、将来、この株式を120で譲渡した場合を考えてみましょう。なお、120は譲渡時における当該法人にとって適正な「時価」とします。

会計上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 150
有価証券売却損益 30

会計上の取得価額150を120で譲渡したため、有価証券売却損益a/c は借方30すなわち売却損となっています。

いっぽう、税務上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 100
有価証券売却損益 20

税務上の取得価額は100であるため、会計上は売却損30が生じていますが、税務上は逆に有価証券売却損益a/c は貸方20すなわち売却益20となります。

税務上の仕訳をさらに展開します。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 150
有価証券売却損益 30
有価証券 50 (貸) 有価証券売却損益 50

上2行は会計上の仕訳であり、3行目が税務上調整する部分です。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 有価証券売却益(別表四減算・留保)・・・50
  • 有価証券(別表五(一))・・・50

別表四で有価証券売却益50を記載して当期純利益を加算します。これにより、会計上の有価証券売却損20は税務上の有価証券売却益30に調整されます。同時に、別表五(一)で繰り越されてきた税務上の取得価額への調整(▲50)を加算調整(50)します。

売主が当該法人の役員・従業員でない場合

買主である法人が、役員・従業員でない個人から、(法人にとっての)「時価」100の株式を150で取得したとします。

まず、会計上の仕訳は次のようになります。

(借) 有価証券 150 (貸) 現預金 150

いっぽう、税務上の仕訳(実際は行いません。イメージです。)は次のようになります。

(借) 有価証券 100 (貸) 現預金 150
寄附金 50

税務上の取得価額は「時価」である100です。実際には100ではなく150を支払っているために、この差額(売主への経済的利益の供与)を費用として認識します。売主である個人は買主である法人の役員・従業員ではないため、この費用は寄附金となります。

税務上の仕訳をさらに展開します。

(借) 有価証券 150 (貸) 現預金 150
寄附金 50 有価証券 50

1行目が会計上の仕訳になり、2行目が税務上で調整する部分となります。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 寄附金認定損(別表四減算・留保)・・・▲50
  • 有価証券(別表五(一))・・・▲50
  • 寄附金の損金不算入(別表四加算・流出)・・・50

会計上は寄附金を認識していないため、別表四で当期純利益から50を減算します。同時に、別表五(一)で有価証券▲50を記載して、会計上の取得価額150を税務上の取得価額100とします。別表五(一)に記載された調整項目は翌事業年度の法人税の申告書に繰り越されます。

寄附金は、損金算入限度額を超えた部分は法人所得の計算上損金の額に算入されません(法人税法37条1項)。このため、いったん損金の額に算入した寄附金を再び加算します。 この加算額は、交際費等と同様に翌期以降に繰り越されて調整されることはありません(流出)。ここでは、全額が損金不算入としています。

では、将来、この株式を120で譲渡した場合を考えてみましょう。なお、120は譲渡時における当該法人にとって適正な「時価」とします。

会計上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 150
有価証券売却損益 30

会計上の取得価額150を120で譲渡したため、有価証券売却損益a/c は借方30すなわち売却損となっています。

いっぽう、税務上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 100
有価証券売却損益 20

税務上の取得価額は100であるため、会計上は売却損30が生じていますが、税務上は逆に有価証券売却損益a/c は貸方20すなわち売却益20となります。

税務上の仕訳をさらに展開します。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 150
有価証券売却損益 30
有価証券 50 有価証券売却損益 50

上2行は会計上の仕訳であり、3行目が税務上調整する部分です。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 有価証券売却益(別表四減算・留保)・・・50
  • 有価証券(別表五(一))・・・50

別表四で有価証券売却益50を記載して当期純利益を加算します。これにより、会計上の有価証券売却損20は税務上の有価証券売却益30に調整されます。同時に、別表五(一)で繰り越されてきた税務上の取得価額への調整(▲50)を加算調整(50)します。

( 4 )法人が法人から「時価」より高額で取得する場合

結論から申し上げますと、買主である法人が、売主である法人から時価よりも高い価額で株式を取得した場合の効果は、売主が買主である法人の役員・従業員でない場合と同様です。

買主である法人が、売主である法人から時価よりも高い価額、たとえば「時価」100の株式を150で取得したとします。

法人はもっぱら営利を追求し経済合理性に従って行動する存在であるのに、本来ならば100を支払って済むところで150を支払っています。

この差額50は、売主である法人に対して経済的利益を供与したことになります。

まず、会計上の仕訳は次のようになります。

(借) 有価証券 150 (貸) 現預金 150

いっぽう、税務上の仕訳(実際は行いません。イメージです。)は次のようになります。

(借) 有価証券 100 (貸) 現預金 150
寄附金 50

税務上の取得価額は「時価」である100です。実際には100ではなく150を支払っているために、この差額(売主への経済的利益の供与)を費用として認識します。この費用は寄附金となります。

税務上の仕訳をさらに展開します。

(借) 有価証券 150 (貸) 現預金 150
寄附金 50 有価証券 50

1行目が会計上の仕訳になり、2行目が税務上で調整する部分となります。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 寄附金認定損(別表四減算・留保)・・・▲50
  • 有価証券(別表五(一))・・・▲50
  • 寄附金の損金不算入(別表四加算・流出)・・・50

会計上は寄附金を認識していないため、別表四で当期純利益から50を減算します。同時に、別表五(一)で有価証券▲50を記載して、会計上の取得価額150を税務上の取得価額100とします。別表五(一)に記載された調整項目は翌事業年度の法人税の申告書に繰り越されます。

寄附金は、損金算入限度額を超えた部分は法人所得の計算上損金の額に算入されません。このため、いったん損金の額に算入した寄附金を再び加算します。 この加算額は、交際費等と同様に翌期以降に繰り越されて調整されることはありません(流出)。ここでは、全額が損金不算入としています。

では、将来、この株式を120で譲渡した場合を考えてみましょう。なお、120は譲渡時における当該法人にとって適正な「時価」とします。

会計上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 150
有価証券売却損益 30

会計上の取得価額150を120で譲渡したため、有価証券売却損益a/c は借方30すなわち売却損となっています。

いっぽう、税務上の仕訳は次のとおりです。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 100
有価証券売却損益 20

税務上の取得価額は100であるため、会計上は売却損30が生じていますが、税務上は逆に有価証券売却損益a/c は貸方20すなわち売却益20となります。

税務上の仕訳をさらに展開します。

(借) 現預金 120 (貸) 有価証券 150
有価証券売却損益 30
有価証券 50 有価証券売却損益 50

上2行は会計上の仕訳であり、3行目が税務上調整する部分です。

法人税申告書の別表での調整は次のようになります。

  • 有価証券売却益(別表四減算・留保)・・・50
  • 有価証券(別表五(一))・・・50

別表四で有価証券売却益50を記載して当期純利益を加算します。これにより、会計上の有価証券売却損20は税務上の有価証券売却益30に調整されます。同時に、別表五(一)で繰り越されてきた税務上の取得価額への調整(▲50)を加算調整(50)します。

( つづく )