社会保険料等の会計処理についての考察

人件費は、法人の損益に大きな影響を及ぼします。ところが、給料や賞与にはものすごく厳密な計算を行うのに、法定福利費になるととたんにユルくなってしまう傾向があるようです。

とくに、人件費の一部が期末の棚卸資産になったり、固定資産(建設仮勘定、ソフトウェア、ソフトウェア仮勘定など)になったりするときには、期間損益に大きな影響を及ぼすため、原価計算の精度が重要になります。

法定福利費が給料や賞与の10%以上はあることを考えると、とりわけ労働集約的な企業では無視することはできないのではないでしょうか。

( 1 )一般的な会計処理の検討

社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料など)については、当月分に係る納入告知書の到達が一般的に翌月後半です。このため、一般的な会計処理では、会社負担分の社会保険料(法定福利費)の発生のタイミングがひと月遅れとなってしまいます。

( 2 )社会保険料の算定の概要

期間損益をより適正化したり、原価計算の精度を向上させるためには、社会保険料を概算計上する必要があります。 このため、この保険料の算定方法の概要を押さえておく必要があります。

実務的な手続き上のポイントや細かい論点は割愛して、保険料等の算定の概要についてコメントいたします。

( 3 )月ズレの解消

期間損益をより適正化したり、原価計算の精度を向上させるためには、当月分の社会保険料(法定福利費)を計上する必要があります。この会計処理の方法を仕訳を使って具体的にご説明いたします。

( 4 )税務上の取扱い

社会保険料に関する法人税法上の取扱い、すなわち、会社負担分となる部分が法人税法上も費用(損金)となるタイミングはいつかという点については、決算日が月末日である場合には、翌月後半に到達する納入告知書を待たずにその事業年度の損金となります。これは、会計理論上とも整合性があります。

概算(未確定額)の計上額と、実際の納入告知書の金額に違いがあった場合には、法人税申告書上の調整(申告調整)で足りますが、修正仕訳を入れることが会計上は好ましいことになります。